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山紫に水清き

作詞:小西 貞治(陸軍幼年学校十三期)
作曲:不詳

著作権:無信託(詞)

一、
山紫に水清き
七州の野に生れたる
われら五十のこの校に
集いしことも夢なれや

二、
燃ゆる血潮は殉国の
赤き心を示すべく
腕なる骨は日の本(もと)の
基を固むる材なれや

三、
観よ干(かん)城の健児らよ
己が雄飛の活舞台
東にパナマの落成を
西に自覚の革命旗

四、
さもあらばあれ若武者の
猛き心のその中に
侵しきものは百日の
あと名残らるる情けかな

五、
磐梯(ばんだい)山の朝嵐
鬼怒(きぬ)の河畔の夕時雨(ゆうしぐれ)
殷々轟々(いんいんごうごう)勇ましく
野山に響く砲(つつ)の音

六、
壮烈無比の演習に
玉座に近く侍(はんべ)りて
陪観(ばいかん)したるその時に
恩賜の栄に浴しけり

七、
ああ山行かば草蒸すも
ああ海行かば水漬くとも
わが大君の辺(へ)にこそと
歌いしことも宜(むべ)なれや

八、
松風清き笠岩の
岸に砕くる波間より
暮れゆく海を眺めつつ
帰帆(きはん)の艫の音(ね)に耳をかし

九、
さざ波よする北浦の
磯に漂う藻(も)を拾い
小石に匿(かく)るる蟹追いて
睦(むつ)みしことも過去の夢

十、
ああ快なりし三星霜
学びの道に武の道に
歩み辿りし甲斐ありて
あと百日の名残りかな

十一、
ああ心地よやこの宴(うたげ)
青葉に霞む山櫻
清き広瀬の川の瀬に
散りくる花を君見ずや

十二、
祝えや舞えや今日の日を
ともに歌わん純忠歌
燈火(ともしび)赤く輝きて
剣(つるぎ)に影の映るまで

不詳


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