一、
昭和十二の夏半(なか)ば
暴戻(ぼうれい)支那を懲(こら)さんと
暁(あかつき)昧(くら)き長江に
迫る上海派遣軍
二、
呉淞(ウースン)沖に轟々と
正義の火蓋切らるれば
敵前上陸忽(たちま)ちに
羅店(らてん)に響く鬨(とき)の声
三、
鉄条網にトーチカに
敵が頼みの陣地帯
篠(しの)つく雨や血の嵐
十字火浴びて進撃す
四、
屍はクリーク埋(うず)めども
勇猛果敢の強兵(つわもの)は
大場(だいじょう)の堅(けん)突破して
血潮を洗う蘇州河(そしゅうがわ)
五、
青空高く上海の
囲みを解きしその朝(あした)
軍を旋(かえ)して西を指し
水陸追うや呉福陣(ごふくじん)
六、
江陰無錫(こういんむしゃく)陥(おちい)れば
鎮めの宮を戴きて
聖旗(せいき)は競い進み行く
太湖(たいこ)湖畔に秋深し
七、
我が肉弾の雄叫びは
紫金(しきん)の峰を揺がせて
鉄血奪う光華門(こうかもん)
見よ感激の日章旗
八、
長駆追撃一百里(ちょうくついげきいっぴゃくり)
青史(せいし)を永く飾るべき
首都南京の入場に
倒れし戦友(とも)も微笑まん
九、
御陵威(みいつ)は暢(の)びて江北に
揚州鳳陽(ようしゅうほうよう)霜を踏み
精鋭厳と行くところ
皇道(こうどう)頌(たた)う民の群
十、
聖戦茲(ここ)に燦然(さんぜん)と
東洋平和の礎を
築き上げたるこの勲(いさお)
輝く上海派遣軍
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