[天翔艦隊へ]


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水雷艇の夜襲

作詞:大和田 建樹
作曲:瀬戸口 藤吉

著作権:不詳

一、
月は隠れて海暗き
二月四日の夜の空
闇をしるべに探り入る
我が軍九隻(くせき)の水雷艇

二、
目指す敵艦沈めずば
生きて帰らじ退(しりぞ)かじ
手足は弾に砕くとも
指は氷に千切るとも

三、
朧(おぼろ)げながらも星影に
見ゆるは確かに定遠号
いざ一うちと勇み立つ
将士の心ぞ勇ましき

四、
忽(たちま)ち下る号令の
下(もと)に射出(いだ)す水雷は
天地も震(ふる)う心地して
目指す旗艦に当たりたり

五、
走る稲妻打つ霰(あられ)
襲わば襲え我艦を
神はいかでか義に背(そむ)く
敵の勝利を護るべき

六、
見よ定遠は沈みたり
見よ来遠は沈みたり
音に響きし威海衛(いかいえい)
早や我が物ぞ我が土地ぞ

七、
ああ我が水雷艇隊よ
汝の誉は我が軍の
光と共に輝かん
かかる愉快は又やある

八、
敵の関門破れたり
敵の海軍亡(ほろ)びたり
我指す処は今は早や
四百余州(しひゃくよしゅう)も何ならず

明治二十八年

 ……黄海海戦で北部黄海の制海権は日本のものになったが、北洋艦隊は未だ威海衛に健在であった。明治28年2月、陸軍は山東省の栄城湾に上陸、威海衛要塞を占領し、北洋艦隊を砲撃した。一方、海軍は2月5日未明水雷艇による攻撃を敢行し、定遠を撃沈。同夜、夜襲を行なって来遠、威遠を撃沈した。しかし、夜襲の際の発射魚雷20本のうち、命中は3本のみであったという。「水雷艇の夜襲」はこの活躍を歌ったもの。


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