◆ポイントの調整方法
ポイント点火方式とは、回転するカムで接点を断続させて火花を飛ばし(コンタクトブレーカ)、その誘導電流でプラグを点火する原始的な仕組みであり、現代においてこの点火方式を採用しているものはない。
理由は、物理的な接点を持つので磨耗が発生し一定期間毎に調節が必要なこと、発生する電圧が一定でないこと、特に高回転において点火時期の精度が悪いこと、さらにはスプリングとカムが高回転に追随できないことである。
'80年代のバイクにもかかわらずV35Imolaはポイント点火方式であるが、モデル発表当初の写真を見ると、ジェネレーターの上にあるべきポイントの収まったふくらみが無い。そして要目はCDI点火となっており、どうやら最初期のモデルはCDI点火であったらしい。何かしらの不具合が発生してポイント点火に戻したようだ。
ポイントが磨耗して点火時期がずれてくる(通常遅れる)と、エンジンのかかりが悪い、一般的に低回転でボコついてスロットルの反応が悪い、アイドリング時排気に黒煙が混じる、プラグに煤が付着して真っ黒になるなどの症状が表われる。
なお、V35Imolaは3,000rpmから機械式ガバナによる自動進角が始まる。
必要な工具
・ヘックスレンチ(4mm/5mm):
4mmはオルタネータカバーの取り外しに、5mmはクランクシャフトを回す時に使用する。ラチェット式ものがやりやすい。カバーを外す時には50mm程度のエクステンションが欲しい。
・シックネスゲージ:
少なくとも0.15/0.20/0.35/0.45mmが測定できるもの。0.05〜0.3mm9枚組で\800程度のものがホームセンターにある。
ゲージを挟んだ状態で動かすと抵抗を感じるくらいが正規の状態。簡単に動いたり、まったく動かなかったりするのは誤り。必要に応じて0.15+0.3=0.45のように重ねて使用するが、枚数が増えるほど誤差は大きくなる。
・マイナスドライバー
・テスター:
テスター棒の先につけるクリップがあると作業性がよい。
・タイミングライト:
最終的な点火時期の確認に。安いもので\6,000から、自動進角の確認も出来るので自分で作業を行うなら買っておいて損は無いだろう。
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