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まえがき

'05 5/2 富山県氷見市 松田江浜キャンプ場


キャンプツーリングに憧れるライダーは多い。
憧れだけに終わるライダーもまた、多い。

アウトドア用品の量販店をのぞいてみよう。
\6,000のツーリングテント、\3,000のシュラフ、\500の銀マット。
これだけあれば、キャンプが出来る。

後は、欲しいと思ったものを買い足せばいい。
キャンプの夜は長い。自分に何が必要かを考える時間は充分にある。

('06 2/5)



キャンプ装備

 '05のゴールデンウィークに能登半島一周を敢行した際の全装備。

 これをエストレヤに搭載した状態はこちら。タオルが干してあるとか、ゴミがくくりつけてあるとかは無視の方向で。

 重心が後ろに来る為か、高速走行時にハンドルがやや不安定になる傾向があり、荷物はなるべく前よりに積載することを心がけている。よって、リアキャリアはほとんどフックかけとしてしか利用されていない。

 なお、このツーリングは4泊5日で1,200kmを走破し、2日目に雨に降られて逃げ込んだ民宿の宿泊費\8,000を含めて総費用は3万円強であった。途中3回の給油代金を含み、有料道路は走行していない。

-***-

サイドバック
 非力な250cc空冷シングルのタンデムシートに大量の荷物を積み上げるのは、見た目とバランスが非常に悪い。何より、またがるのに一苦労だ。なるべくなら重心を下げたいので、振り分け式のサイドバックを使っている。

◆サイドバック:右

(ペットボトルは大きさ比較の為)

・撮影道具(一眼レフ,望遠レンズ,三脚)
 ま、下手の横好きちうことで。

・ヘッドランプ
 キャンプ必須。夜にコンビニ弁当を食べる時、水場へ向かう時、テントの中で探し物をする時、両手がフリーな状態で明かりが得られるのは嬉しい。

・ラジオ
 聞きたい時には電波が入らない場所にいることが多い。。。

・目覚まし時計
 寝過ごして貴重な時間を失わない為に。社会人の休日は短い。

・その他
 小ポケットには予備のショックコードやビニール袋が入っている。キャンプにビニール袋は必需品だ。コンビニ、スーパーの買い物袋からゴミ収集用袋まで、大小取り混ぜて何枚も持っていくと何かと便利。

 「絶対に濡らしたくないもの」をすべてこちらにまとめている。エストレヤだとマフラー側に位置するので、万が一転倒するような事態に遭っても内部に致命的ダメージはない(と期待している)。携帯も、電源を切られてここに放り込まれていることが多い。
 見ての通り、写真が趣味でなければこの容積はさらに有効に活用できる訳である。

◆サイドバック:左

・雨具類(レインスーツ,レイングローブ,ブーツカバー)
 単車に屋根はない。

・救急用品(バンドエイド,消毒薬,風邪薬,胃薬etc)
 ちょっとした怪我や体の不調の為に。

・予備部品(プラグ,針金,スペアキーetc)
 トラブルは忘れた頃にやってくる。

・防寒具(フリース,ウィンドブレーカーetc)
 G.W.の日本海、盆休みの北海道、いずれでもお世話になった。

・食料品
 袋入りの即席ラーメンを数食分。米も2〜3合持参するが、炊飯は時間と燃料を喰うのであまりやらない。粉末スープや味噌汁の素数種類数食分、これは調味料にも使える。
 個人的にコーヒーよりも紅茶が好きなので、ティーバックに小分けにした紅茶を日数×3つほど。

・ウォーターバック
 1Lあればその日の夕食から翌朝の朝食と洗面までなんとかなる。けれど、キャンプするのはキャンプ場と決めているので、水場からキャンプサイトまでの水の運搬にしか使用されない。

・洗濯セット
 コインランドリー用に小分けにした洗剤があれば安くあがる。もっとも、最近は洗剤自動投入のコインランドリーも多い。洗濯バサミと物干し用のロープは、ユースホステルや雨の日に逃げ込んだビジネスホテルで役に立つ。乾かしたいものは意外と多い。

・調理道具,調味料

 スライド式のナイフと、まな板代わりの牛乳パックを解体したもの。パン焼き網は肉や魚介類を焼く時から、炊飯時の火力調節にも使う。
 汚れた食器の後始末にはメラミンスポンジ。古新聞で拭き取ってからこれで洗えば洗剤がいらない。

 私が持っていく調味料はフィルムケースに小分けした醤油と味塩コショウ、弁当用の醤油容器に入れたサラダオイル。マヨネーズも入ることがある。チャーハンの素も結構使える。
 これらは厳重な密封にもかかわらずなぜか漏れ出すので、チャック式の袋に入れることにしている。

・その他
 サンダルは必需品。キャンプサイトをブーツで歩くのはかなり疲れる。真夏の本州におけるキャンプでは、ウチワが唯一涼を取る手段となる。軍手は一双あると何かと便利。濡れた食器類を地面に置くと砂が付着して始末が悪いので、テーブル代わりに小さな足つきの金網。熱いものを置いても大丈夫。

 防水袋に入れたトイレットペーパー(使いさしの小さいものがよい)は食器の後始末から鼻紙、トイレまで使えて大変便利。ツーリング先の天気予報を確認する為に新聞をコンビニで購入することが多いので、特に持つことはない。ポケットティッシュは水洗トイレに流せるもの、ウェットティッシュは除菌タイプのもの。それぞれ予備がここに入っている。

-***-

防水バック
 ツーリング中、突然の雨。ビニール袋をかける暇があればいいが、山間部のにわか雨は時として遭遇したものでなければ分からない凄まじさの土砂降りとなる。高速道路やバイパスでは路肩に止まることもできない。それなら、最初からある程度防水の効いたバックに入れておけば安心だ。

◆防水バック:大

・テント

 バイク用品量販店のセールで入手(約\14,000)。しばらく前にダンロップに吸収されたメーカー製で、テントの仕組みはダンロップのそれと同じもののようだ。なお、夜露等で湿った場合は防水バックの上に縛り付けられることになる。
 1人用テントにツーリングの荷物を適当に放り込むと寝る場所がなくなる。サイドバック、タンクバックなどを端に並べるのだが、結露で濡れることがある。利点は小さいので気温が低いときに暖かいことと、なくした物がすぐに出てくること。

 フライシートを止めるロープが心もとない強度だったので、別に購入した。もっとも、これまでロープでの固定が必要だと思われる気象状況でキャンプしたことはない。
 付属のペグも樹脂製で何とも頼りなかった為アルミで揃えたが、単車ではさほど重量が問題にならないので、鉄の方が丈夫でよかったかもしれない。\100ショップでゴムハンマーも買った。蹴っ飛ばしたくらいでペグは打てない。そういう時に限って辺りに都合のよい大きさの石はない。

・シュラフ一式(シュラフ,シュラフカバー,インナーシュラフ)

 スポーツオーソリティのセット。シュラフは夏用(約\3,000)と冬用(約\4,000)の2つを揃えた。タオル地のインナー(約\2,000)は保温よりむしろ暑い時の汗取りに役立つ。汗で濡れたシュラフほど気持ち悪いものはない。シュラフカバー(約\2,000)も保温より結露対策のつもりだったが、透湿性がなくカバーの裏側に結露するので結局シュラフは濡れる。意味があるのは雨の日くらいだろうか。

 GWといえども、場所によっては明け方氷点近くまで下がる。私は乗鞍でそう言われてその場所でのキャンプを諦めた。同じツーリング中、能登半島で明け方12℃まで下がったことがある。夏用シュラフ(15℃〜用と書いてある)にカバーとインナーを使い、長袖Tシャツ2枚重ねにフリースとウインドブレーカー、Gパンに靴下という格好だったが、朝5時過ぎに寒くて目が覚めた。

 頭が低いと寝付けない性質なので空気枕。タンクバックではタオルを巻いても少し硬い。

・インフレータブルマット

 おなじくスポーツオーソリティ(約\2,000)。比較的コンパクトに収納できるが、丈が短くて足がはみ出る。おかげで地面が湿っていたりするとその部分がうすら寒い。

・バーナー&ランプ,食器

 イワタニのカセットコンロ用ボンベが使えるもの(約\2,500)。コンパクトなので食器と一緒に収納できる。凹凸のある地面では安定しないので使い勝手はよくないが、ボンベはコンビニで補充できる。もっとも、このタイプのガス缶は摩擦で簡単に孔が開くらしいので、パッキング時には注意。
 同じくイワタニのランプ(約\3,000)も持っているが、実は持参して使った試しはない。ソロツーではヘッドランプで十分用が足りる。ローソクランタンは明かりとしての役割をほとんど果たさないが、雰囲気は好きだ。防虫キャンドルを灯せば虫除けになる。

 スノーピークのチタンのクッカー&カップのセット(約\4,000)と、同じくチタンの片手ナベ×2&フライパンのセット(約\4,000)。登山用で軽いのはいいが、熱伝導が良いので油断するとすぐ焦げる。パン焼き用の網で火力を調節しているのだが、焦げ臭くないご飯が炊けた試しがない。

 折畳式の箸(約\1,500)とこれもチタン製のスプーン&フォーク(約\1,000)もスノーピークで揃えてみた。幾度かのキャンプを経て、このうちフォークだけは必要ないことに気づく。ステンレス製のマグカップは熱いものを入れると素手で持てない。軍手で持ったはいいが、今度は口をつけられない。

 ほとんどをチタン製で揃えてみたが、本来は重量に厳しい制限がある登山用である。金額の割に自己満足にしかならないという見本であるが、唯一食事中にヘンな金属臭がしないのが取り柄である。

 収納時は以下の通り。

・その他

 携帯用蚊取線香は夏のキャンプの必需品。できれば無臭タイプが匂いがつかなくてよい。ブルーシートはグランドシートとしてテントの下に敷く。小さかろうが折り畳みだろうが、椅子があるとキャンプ生活が非常に楽になる。


◆防水バック:小

・着替え類
 仕事の関係でツーリングの期間は最長1週間程度に制約されるが、基本的に3日分程度の着替えしか持たない。汚れた衣類が増えてきたら、途中の街でコインランドリーを探して洗濯・乾燥する。

・洗面用具
 歯ブラシと歯磨き粉、風呂内用と風呂上り用(これは洗面用も兼ねる)のタオル、シャンプーとボディソープ、髭剃り。夏場は日焼け止めとローションが要る。
 耳掻きと爪切りは、一度気になりだしたらきりがないので個人的に必須。

-***-

タンクバック
 動きにくくなるし、何より夏場は暑いので、体に荷物をくくりつけるのは好きではない。だから、ウエストポーチもリュックサックも持たないことにしている。中身は通常の日帰りツーリングと変わらない。いつでも地図が見られて便利。

◆タンクバック:
 

・ツーリングマップル
 ツーリングライダーのバイブル。意見はいろいろあるようだが、このサイズにまとまっていて道が判ればとりあえず問題ない。
 1回のツーリングでは2冊もあれば大抵間に合うが、私は4冊持って家を出たことがある。使用中でないものはサイドバックの中。

・デジタルカメラ
 記録用。時刻表なんかをメモ代わりに撮っておくとあとで確認できて便利だが、液晶は意外と小さいので読める大きさで写すべきである。

・その他
 小さなマグライトとアーミーナイフ(ビクトリノクスのトラベラー)をいつもここに入れている。それぞれ日没後にマップを見る時や、何かの封を切る時などに使える。コンビニ餃子のタレの袋ほど開けにくいものはない。

 ポケットティッシュとウェットティッシュ、ボールペンとメモ用紙、健康保険証のコピーも入っている。



あとがき

'05 8/11 北海道早来町 鶴の湯温泉キャンプ場


夏は暑いし冬は寒い。虫も出れば、刺されることだってある。
地表の僅かな凹凸が不快感を増し、湿った土は思いのほか冷たくて体温を奪う。

けれど、キャンドルランタンの灯の下で眺める夜空には、
きっと日頃気付かない何かを見つけることができるに違いない。

('06 2/5)



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