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●Sボートとは?
 Sボート(シュネルボート、Schnellboot)はドイツ海軍の用いた魚雷艇で、直訳すれば高速艇である。連合軍からはEボート ("Enemy boat"の頭文字とされることが多いが、"Eilboot"の可能性もある) と呼ばれた。(出典:wikipedia日本語版,抜粋)

 以下は特に断りのない限り、ゲーム内のプレイヤーモデルとしてのSボートの解説となります。一部史実と異なる部分がありますのでご注意下さい。

  UpgradesChart ※クリックで原寸(別窓)

→おそらくMOD開発中当時のものと思われるSボート一覧はこちら(別窓)。


◆1. Sボート各型について◆

 第二次世界大戦を通じてSボートは基本的に1種類のみですが、年代と戦局の推移に応じて様々な改良が加えられており、大きく3つの型(低前甲板型>>高前甲板型>>装甲操舵室型)に分類できます。

一般配置図(装甲操舵室型)
  一般配置図(装甲操舵室型) ※クリックで原寸(別窓)

 Sボートは木骨木皮(隔壁、上部構造物の一部及び補強に鉄と軽金属を使用)の船体に、前方発射式の魚雷発射管2門を持ち、最初期の型を除いて次発装填(2〜4本)が可能です。対空砲は初期の型は後甲板のみ、中期には前後甲板、後期になると前中後甲板にそれぞれ装備されます。爆雷投下/機雷敷設能力も持ちましたが、ゲームでは再現されていません。上記図面では艇尾の爆雷投下軌条と、両舷の機雷軌条がそれぞれ確認できます。

 機関は、最初期の艇にはUボートの機関を製造していたMAN社製のディーゼル機関が搭載されましたが、不具合が多発した為、S18以後の艇はダイムラー・ベンツ社(2,050〜3,000HP)のものが搭載されています。排気は水中排気方式で、排気口は艇中央部水線下にあります。
 いずれも3基3軸3舵で、前部機関室の2基が両舷軸を、後部機関室の1基が中央軸を駆動します。両舷軸は中央軸より長く、推進器は中央軸のものより後方に位置しています。また、舵は中央のものが左右と比べてかなり大きな面積を持っています。


・低前甲板型(S7〜)
S7

 最も初期のSボートです。S7はドイツ海軍最初の実用Sボートで、船体の基本配置は以後終戦まで引き継がれます。低い前甲板と操舵室前方の大きな波除け、高いマストが外観的な特徴です。軽対空砲は後甲板に1基のみ装備できます。
 S14以降は船体が大型化し、航続距離が延びて予備魚雷2本が搭載可能になります。

S7級
 排水量:92t
 最大速力:36kt
 航続距離:600海里/25kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:無
 軽対空砲:1(後甲板)
 士官:4
 下士官:6
 水兵:13

S14級
 排水量:114t
 最大速力:36kt
 航続距離:600海里/30kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:無
 軽対空砲:1(後甲板)
 士官:4
 下士官:6
 水兵:13


・高前甲板型(S26〜)
S26

 低前甲板型で問題になった、高速航行時の前甲板〜操舵室への波浪打ち込み対策として、前甲板が1層嵩上げされた型です。以前の型では魚雷発射管の間に搭載されていたゴムボート(救命艇)は、中甲板に移動しています。
 この型の初期の艇は、前型と同じく軽対空砲を後甲板に1基のみですが、後期の艇では前甲板の銃座(通称”浴槽”)に軽対空砲を1基、後甲板に重対空砲を1基装備できるようになります。

S26級
 排水量:115t
 最大速力:39.5kt
 航続距離:700海里/30kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:2
 軽対空砲:1(後甲板)
 士官:5
 下士官:6
 水兵:18

S38級
 排水量:115t
 最大速力:41.5kt
 航続距離:700海里/35kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:2
 重対空砲:1(後甲板)
 軽対空砲:1(前甲板)
 士官:5
 下士官:6
 水兵:18


・装甲操舵室型(S38b〜)
S38b

 敵航空機や魚雷艇の機銃掃射から操舵手を防護する為、操舵室が傾斜した9枚の防弾鋼板からなる装甲操舵室に変更されています。速力と航続距離も増大の傾向にあります。
 砲兵装は前型よりさらに強化され、軽対空砲が中甲板にも1基装備可能になります。一方、スペースの問題からか、救命艇は一部が救命浮器に変更されています。

S38b級
 排水量:120t
 最大速力:39.5kt
 航続距離:700海里/30kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:2
 重対空砲:1(後甲板)
 軽対空砲:2(前/中甲板)
 士官:5
 下士官:6
 水兵:21

S100級
 排水量:122t
 最大速力:42kt
 航続距離:800海里/35kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:2
 重対空砲:1(後甲板)
 軽対空砲:2(前/中甲板)
 士官:5
 下士官:6
 水兵:21

S700級
 排水量:120t
 最大速力:44kt
 航続距離:800海里/35kt
 魚雷発射管:2
 予備魚雷:4
 重対空砲:1(後甲板)
 軽対空砲:2(前/中甲板)
 士官:5
 下士官:6
 水兵:21


◆2. 各装備について◆

・魚雷
 パターン航走魚雷(Fat, Lut)以外の魚雷が装備できますが、史実においては音響追尾魚雷以外の電気式魚雷は用いられなかったようです。

 一方、史実で使用された対船団隠密攻撃用の低速パターン航走魚雷(T3d, 最大馳走距離57,000m/9kt)は、ゲーム上では再現されていません。


・砲
 軽対空砲(Light Flak)として2cm2種(C/30, C/38)の単/連装、重対空砲(Heavy Flak)3.7cm2種(C/30, M42)の単装がそれぞれ装備可能です。史実において装備が確認される、2cm4連装対空機銃(C/38 Vierling)の装備は出来ません。

 ゲーム上大きな問題となるのは、重対空砲(Heavy Flak)がDeck Gunの扱いになっている為、自動では対空射撃を行わないことです(Watch Officerへの指示は対艦射撃のみ)。また、同様に軽対空砲(Light Flak)は自動での対水上射撃を行いません。それぞれ手動で行う必要があります。


・電波兵装
 レーダー、レーダー警戒機(電波探知機,逆探)がそれぞれ装備できます。一部にはこのMODで追加されたSボート専用のものがあります。

 史実においては、Sボートにレーダーが装備されることは稀であったようです。アルミ箔でレーダー波を反射するようにしたブイや気球などの対レーダー用欺瞞装備も用いられましたが、ゲームでは再現されていません。


・その他
 Sボートにハイドロフォン(水中聴音機)、及びソナーは装備されていません。また、測深儀も装備されていません。

 煙幕展張用の薬煙幕缶を装備することが出来ます。。。が、ゲーム的にはUボートで使われるボールトそれそのままです。機関長に指示して発射させると、白いもやもやの塊が1つ、海面上に漂います(笑 効果の程は確認しておりません。


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